2012年11月15日木曜日

イベント成功のルール(2)


なぜイベントなのか~第二のキーワードは「仲間」です

 イベントは仲間が集まり、集まった人々が仲間であることをお互いに確認する場、仲間づくりの場として大きな威力を発揮します。例えば大きな仕事の打ち上げパーティを思い描いてください。その仲間感覚を職場内に限定するのではなく、顧客にまで広げることをイメージしてみましょう。実はブランディングは、顧客へのサービス提供と信頼獲得という相互関係を越え、顧客との仲間としての価値共有感覚をビジネスの基盤におく手法でもあります。

やや古いですが、代表的な事例をみてみます。

 「米Apple Computerの直営店舗「アップルストア心斎橋」が、28日午前10時にオープンした。
 午前10時の開店時には、約300m離れた中央通りの新橋交差点を曲がり、西消防署まで約600mの長蛇の列。約2,500人が並んだ。
 午前10時には、店員と来店客が大きな歓声をあげながら開店。アップルストア銀座の開店時にも見られた店員と来店客のハイタッチによる来店シーンが見られた。」
(2004年8月28日 PC Watchホームページ)

 日本のみならず、アメリカでも、いや世界各国で、アップルストアのオープンは「イベント」となっています。アップルの愛好家にとって、アップルストアのオープンは仲間とともに喜びを分かち合う祝祭なのです。その象徴が「ハイタッチ」です。

 ブランディングとはつまるところ、高いロイヤリティをもったフアンを育てることですが、この事例をみれば、アップルというブランドがいかに強固であるかわかります。アップルストアは単なる販売店舗という域を超え、アップルフアンの溜まり場、クラブハウスの趣きさえあります。

さらにこのイベントは「ニュース」としてとりあげられてもいます。このニュースは基本的には「新店舗オープン」を紹介したものです。しかし、毎日多くの店舗がオープンになっているのに、何故アップルストアはニュースとして取り上げられるのでしょう。それは単に人が並んだだけではないと考えます。例えば安売り店のオープンセールで人が並んでもニュースとはなりません。

その理由をつきつめれば、「アップルストア」だから、ということに突き当たります。このニュースは、多くのマックフアン、仲間たちへの報告であり、多くの仲間が集まった社会現象のスケッチとしてニュースとして取り上げられたと考えます。現代は仲間が集まることが社会的なニュースともなる。これはとても重要なことです。

イベントのメッセージによって価値を共有する仲間を集めること、あるいは顧客を共に価値を創造する仲間として扱うこと、イベントによりそこに場を共有したお互いが仲間であることを確認すること、さらにそれをニュースとして発信し、それによって企業・商品のブランドイメージを強固にすること、これを可能とするのは、イベントならではの大きな威力です。

0 件のコメント:

コメントを投稿